オルタナティブ/ポストロックの文脈をさらに拡張しつつも 鎌野愛の新たな展開を予感させる快作「cocoon」
HUMANで掲げたオルタナティブポップの追求は、収録曲の「皆既」や「蛹」などへ引き継がれ、ポストロック、オルタナティブの文脈を拡張する楽曲となった。
また鎌野のルーツのひとつであるクラシックや現代音楽的なアプローチが冴える楽曲「Prelude」は鎌野自身の新たな指針を示している。
「ゴーストグレイス」の重圧なエレクトロニックサウンドや、「カルテ」のポエトリーリーディングまで、さまざまなアプローチは実験の域を超え、鎌野自身の新たな表現方法として定着したようだ。
声の可能性を追求を掲げ作品をリリースを続けつつも、近年のポップスへの近接により着実に深化した楽曲全体のトラックメイクも必聴である。今再び鎌野は蛹となり鮮やかな色彩で繭を染め蠢いている。今後の更なる新展開を予感させる快作が誕生した。
演奏に三島想平(cinema staff)、GOTO(礼賛、DALLJUB STEP CLUB他)、須原杏、波多野敦子strings、佐藤航(Gecko&Tokage Parade)、「蛹」の作詞には高橋國光(österreich)、ミックスに土岐彩香、マスタリング吉良武男、ジャケット撮影・アートワークに菅原一樹と、鎌野が信頼をおく強力な布陣で制作されている。
1-01. 蛹
1-02. 皆既
1-03. Prelude
1-04. ゴーストグレイス
1-05. カルテ
1-06. 螺旋の塔 (acoustic version)
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